電力自由化が始まって以降、多くのガス会社が新電力に参入してきました。東京ガスが提供する『東京ガスの電気』もそのひとつですね。
このページでは東京ガスの電気について、用意されたプランやメリット・デメリットなどを詳しく紹介していきます。
東京ガスの電気とは?
東京ガスの電気はその名の通り、東京ガスが提供する新電力のことです。新電力の中でも特に契約数が多く、2019年8月には電力契約件数が200万件を突破しました。
電気料金がお得なプランもさることながら、東京ガスの知名度から安心感で契約する方も多いようですね。また、ガスやインターネットとセットでお得になるシステムを採用しているのも強みでしょう。
なお、東京ガスの電気は、東京ガスのガスを利用していない方でも、東京電力エリア内に住んでいれば契約可能です。このことも契約数を伸ばしている要因になっているのかもしれません。
本ページではそんな東京ガスの電気について詳しく紹介していきます。
電気使用量に合わせて選べる東京ガスの2つのプラン!
東京ガスの電気では、一般家庭向けプランとして「ファミリーセレクト(ずっとも電気1)」と「スマートセレクト(ずっとも電気1S)」2種類を用意しています。
ファミリーセレクトは電気を多めに使う家庭向け、スマートセレクトは電気をあまり使わない家庭向けのプランとなっており、目安としては電気代の月平均が約7,000円以上ならファミリーセレクト、月平均が約7,000円未満ならスマートセレクトが向いています。
下記でそれぞれのプラン詳細を紹介しますので、自分に当てはまりそうな方だけでも読んでみてくださいね。
ちなみに、事務所などに向けた「ずっとも電気2」「ずっとも電気3(動力)」も用意されていますが、一般家庭にはあまり関係ありませんので今回は説明を省きます。
電気代が約7,000円以上/月なら「ファミリーセレクト」
月の電気代が平均約7,000円以上なら「ファミリーセレクト(ずっとも電気1)」プランがおすすめです。
ファミリーセレクトは、東京電力の従量電灯Bなど、従来の一般的な料金プランと同じく「契約アンペア数に応じた基本料金+3段階で変化する従量料金」といったシステムになっています。
と、言ってもなかなか分かりにくいですね。順に説明していきましょう。まず、基本料金については東京電力の従量電灯Bと東京ガスのファミリーセレクトで違いはありません。
30Aなら月858円など、東京電力でも東京ガスでも契約アンペア数に応じて、同じだけの基本料金がかかります。
では、何が違うかといえば従量料金(電気単価)が異なります。従量料金は以下の通りです。
電気使用量 | 東京ガス | 東京電力 |
---|---|---|
~120kWh(東京ガスは~140kWh) | 23.67円/kWh | 19.88円/kWh |
121~300kWh(東京ガスは141~350kWh) | 23.88円/kWh | 26.48円/kWh |
301kWh~(東京ガスは351kWh~) | 26.41円/kWh | 30.57円/kWh |
※東京ガス「ファミリーセレクト」の場合
※東京電力の「従量電灯B」の場合
東京ガスも東京電力も同じ3段階制ではあるのですが、従量料金が切り替わるタイミングが異なります。東京ガスの方は電気を多く使ってもあまり従量料金が上がらないため、基本的に電気を使えば使うほど東京ガスの方がお得です。
計算してみると、おおむね294kWh以上の電気を使う場合は、東京ガスのファミリーセレクトの方が安くなりますね(電気使用量は毎月の検針票に書いてあります)。とはいえ、東京ガスにはガスやインターネットとセットでお得になる仕組みもあるため、293kWh以下でも東京ガスの方がお得になる可能性は十分あります。
個人で計算するのにはやや複雑ですので、公式サイトの電気料金シミュレーションを利用するといいでしょう。
なお、公式サイトに掲載された「電気料金おトク早見表」によれば、「年間4,000kWhで約7,300円相当おトク」「年間5,000kWhで約12,400円相当おトク」「6,000kWhで約17,100円相当おトク」とのことです。ただ、こちらはガス・電気セット割を適用し、ポイントも加味したものです。
電気代が約7,000円未満/月なら「スマートセレクト」
月の電気代が約7,000円未満という方は「スマートセレクト(ずっとも電気1S)」プランがおすすめです。
こちらのプランもファミリーセレクトと同じく、基本料金は東京電力の従量電灯Bと同じなのですが、10A~60Aまで幅広く契約できます(ファミリーセレクトは30A以上限定)。つまり1人暮らしでそんなにアンペア数が必要ない方にも向いています。
従量料金は東京電力の従量電灯Bと同じく3段階制ですが、下記の通り、3段階すべてで東京ガスの方が安くなっています。
電気使用量 | 東京ガス | 東京電力 |
---|---|---|
~120kWh | 19.85円/kWh | 19.88円/kWh |
121~300kWh | 25.35円/kWh | 26.48円/kWh |
301kWh~ | 27.48円/kWh | 30.57円/kWh |
※東京ガス「スマートセレクト」の場合
※東京電力の「従量電灯B」の場合
基本料金が同じで従量料金は全ての段階において東京ガスの方が安い。すなわち、切り替えでほぼ確実に電気代が節約できるわけです。
もちろん電気使用量が多い方であっても、スマートセレクトへの切り替えでお得になりますが、ファミリーセレクトの方がよりお得になる可能性は高いでしょう。だからこそ、電気使用量が多い家庭にはファミリーセレクトの方が推奨されるわけです。
ちなみに、公式サイトによれば電気使用量が「年間1,000kWhで約400円相当おトク」「年間2,000kWhで約1,600円相当おトク」「年間3,000kWhで約3,200円相当おトク」になるそうです。先ほども話した通り、このおトク金額はガス・電気セット割を適用し、ポイントも加味したものですね。
東京ガスの電気のメリット!
東京ガスの電気にはお得な2つのプラン以外にも様々なメリットが存在します。
ガスやインターネットとセットでお得!
東京ガスの電気はガスやインターネットとセットにすることで、よりお得になります。
たとえば、東京ガスのガスと電気を一緒に利用することで「ガス・電気セット割」が適用され、プランごとに以下の割引が受けられます。
【ガス・電気セット割】
- ファミリーセレクト:電気代275円割引/月
- スマートセレクト:電気代0.5%割引/月
※ファミリーセレクトは基本料金から、スマートセレクトは基本料金と電力量料金の合計から割引となります。
さらに、NTT東日本の光回線サービスと東京ガスの提携プロバイダ(つまりはインターネットサービス)を加えれば、インターネット代も割引となります。
割引金額はプロバイダによって異なりますが、年間約1,200~3,800円もお得になるとされているのです。
セット契約なら請求がまとまる!
普通は電気代とガス代を別々に支払うところ、東京ガスでガスと電気をセットで契約すれば請求を1本化できます。光熱費の支払いがまとまると予想以上にスッキリするものです。
電気代の支払いでパッチョポイントが貯まる!
東京ガスの電気を契約すると、毎月の電気料金1,000円につき15ポイントのパッチョポイントが貯まります。月の電気代が1万円なら150ポイント。これが年間なら1,800ポイントにもなります。
なお、パッチョポイントはdポイントやnanacoポイント、ponta、楽天スーパーポイントなど様々な提携ポイントと交換可能です。
安心のサポートサービスあり!
東京ガスの電気と契約すると、東京ガスによる電気トラブルサポートも受けられます。これは、停電やブレーカー落ち、スイッチ・コンセントなどのトラブルに対応してくれるもので、東京ガスの電気を利用している方なら、一時対応の出張費や60分以内の原因調査費が無料になります。
そうそう使う機会はないかもしれませんが、いざという時に駆けつけてくれると分かっていれば安心感がありますよね。
※60分以上の作業費や、電気設備の故障・破損に伴う設備取替などを含む二次対応については費用が発生します。
クラシルの有料機能が無料で使える!
残念ながらスマートセレクト(ずっとも電気1S)は対象外となってしまうのですが、東京ガスのガスと電気を利用している方は、レシピ動画サービス「クラシル」の有料機能「人気順検索」と「人気ランキング」がmyTOKYOGAS(東京ガスの会員サービス)で無料利用できます。
※直近のガス・電気料金の請求合計が2,000円(税込)未満の期間は利用不可です。
基本的に違約金・解約金がかからない!
東京ガスの電気は違約金・解約金を設けていません。つまり、切り替え後に合わなかったとしてもすぐに他へ移ることができます。
ただし、インターネットサービスもセットにする場合、契約するプロバイダによっては途中解約による違約金が発生する可能性もあります。この点だけは注意しておきましょう。
支払い方法が豊富!
東京ガスの電気は口座振替・クレジットカード・払込み(払込書)など豊富な支払い方法に対応しています。
大手通販サイトなどを利用している方だと当たり前に感じるかもしれませんが、新電力の場合、クレジットカードのみといったケースも少なくないため、これも大きなメリットと言えるでしょう。
時間ごとの電気使用量を確認できる!
東京ガスの会員サービスである「myTOKYOGAS」を利用すれば、30分ごとの電気使用量をグラフで確認できます。他に比べるとやや更新が遅いといった意見もあるのですが、細かい電気使用量は節約の役にも立ちますし、なかなか便利ですよ。
Amazonギフトが貰えるキャンペーン実施中!
東京ガスの電気は2019年10月15日~12月23日まで、もれなくAmazonギフト券3,600円分(300円分×12週連続)が貰えるキャンペーンを実施しています。また、抽選で10名に1名に10,000円分のAmazonギフト券がプレゼントされます。
東京ガスの電気のデメリット
東京ガスの電気にもいくつかデメリットはあります。こちらも確認していきましょう。
適切なプランを選択しないと電気代が高くなることも
既に紹介した通り、東京ガスの電気の一般家庭向けプランは「ファミリーセレクト(ずっとも電気1)」と「スマートセレクト(ずっとも電気1S)」の2種類です。
ファミリーセレクト・スマートセレクトの書き方なら問題ありませんが、ずっとも電気1・ずっとも電気1Sの表記だと非常に似ていてややこしいです。
そのうえ、プランを間違えてしまうと電気代がむしろ高くなってしまう恐れも。特に電気使用量が少ない方がファミリーセレクト(ずっとも電気1)に申し込んでしまうと、電気代がそこそこ上がってしまう可能性があるので十分に気を付けてください。
東京電力エリアでしか契約できない
東京ガスの電気の提供エリアは、東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県・栃木県・群馬県・山梨県・静岡県(富士川以東)です ※離島を除く。
当たり前と言えば当たり前ですが、東京電力エリアから外れてしまうと契約できません。幅広いエリアに対応した新電力が増えている中、これもデメリットのひとつと言えるでしょう。
なお、東京ガスの提供エリアとは異なり、東京ガスの電気だけで契約することも可能ですが、その場合はセット割引を受けられません。
オール電化向けのプランがない
東京ガスの電気では今のところオール電化向けのプランを用意していません。そのため、オール電化住宅に住んでいる方は、他の電力会社を選択した方がいいでしょう。
シンプルさに欠ける
近年、基本料金0円+従量料金一律というシンプルなプランを掲げる新電力会社が増えてきました。
それに比べると、東京ガスの電気は従来通りのややこしい料金スタイルですし、セット割りやポイントを駆使して初めて他よりお得になるといった感じです。
言ってしまえば他社に比べてシンプルさに欠けますね。
まとめ
東京ガスの電気はいかがでしたか?
電気だけの切り替えだと他社に劣ることも少なくないのですが、ガスやインターネットのセット割りなどを駆使すれば、他よりお得に利用できることもありますよ。
気になる方は一度、公式サイトにある料金シミュレーションで具体的にどのくらい安くなるか確かめてみてくださいね。