電力自由化によってガス会社が電力事業に参戦するケースが増えています。その中のひとつが、株式会社エルピオが提供する『エルピオでんき』です。
本ページでは、エルピオでんきの料金プランやメリット・デメリットなどを紹介していきます。ぜひ新電力会社選びの参考にしてみてください。
エルピオでんきとは?
エルピオでんきは「株式会社エルピオ」が提供する新電力です。株式会社エルピオは1965年に設立され、千葉県や茨城県などで50年以上にわたってLPガスを販売してきました。
そんな歴史ある会社が2016年の電力自由化をきっかけに、新電力の販売を開始したわけですね。
ガス会社の提供する新電力ではありますが、エルピオのガスを利用していない方でも契約可能です。また、東京電力エリアをはじめ、東北・中部・関西・中国・四国・九州電力エリアと幅広い地域に電力を供給しており、エリアによっては非常に豊富なプランを用意しています。
もちろん、ガス会社らしくガスとセットでお得になる仕組みも採用していますよ。
エルピオでんきで電気代は安くなる?
おそらく皆さんが気になるのは「エルピオでんきの切り替えで電気代が安くなるか否か」といった点でしょう。
これについては「人による」としか言えません。たとえば、一般的な4人暮らしの家庭であれば、エルピオでんきの「スタンダードプランS」に切り替えることで1ヶ月あたり1,210円ほどお得になると言われています(従量電灯Bの40Aで毎月400kWh使用したとして計算)。
また、一般的な2人世帯でも1ヶ月あたり710円ほどの節約になるとされます(従量電灯Bの30Aで毎月300kWh使用したとして計算)。
ただ、一人暮らしで電気使用量が少ない方なんかは、逆に切り替えで電気代が高くなってしまうことも。ひとつの目安ではありますが、月の電気代が4,000円くらいの人だと割高になりがちです。
とはいえ、エリアによってはプランも豊富ですし、一度、公式サイトで料金シミュレーションしてみるのがいいでしょう。
エルピオでんきの豊富なプランを紹介!
エルピオでんきと言えば、エリアごとに用意された豊富なプランが特徴です。どんなプランが用意されているのか、エリアごとに見ていきましょう。
【東京電力エリア】の料金プラン
東京電力エリアでは以下のプランを提供しています。
プラン名 | 特徴 |
---|---|
スタンダードプランS | 40Aから契約可能なプラン。家族3人や4人暮らしの方などにおすすめ |
スタンダードプランライト30A | 30Aのみのプラン。夫婦2人暮らしの方などにおすすめ |
スタンダードプランL | 商店や飲食店、大家族など電気を多く使う方におすすめのプラン |
スタンダードプランLL | オフィスやビルなど大量に電気を使う方におすすめのプラン |
プレミアムプランA | 一般家庭に向けた定額制のプラン |
プレミアムプランB | 商店や飲食店に向けた定額制のプラン |
深夜お得プラン | 深夜の電気代が安くなるプラン。オール電化の方におすすめ |
上記の通り、東京電力エリアでは様々なプランを選択できます。一般的なのは「スタンダードプランS」「スタンダードプランライト30A」あたりですね。
スタンダードプランSは40Aからの契約になってしまうため、基本料金はやや高くなりがちですが、1kWhあたりの価格である従量料金が安めに設定されています(基本料金も東京電力の一般的なプランの40Aよりは安価です)。
そのため、電気使用量が多い人ほど、東京電力からの切り替えでお得になります。
なお、スタンダードプランライト30Aは、30A契約で基本料金をやや抑えられるものの、従量料金が少し高めに設定されているため、電気使用量によっては割高になることも。料金シミュレーションなども活用して、上手く使い分けてほしいですね。
また、毎月の電気の使用量がおおむね同じならば、定額制のプレミアムプランを選ぶのもありでしょう。プレミアムプランには300kWh・400kWh・500kWhまで定額になる、3つのプランが用意されています。
他にも深夜の電気代が安くなるプランも用意されていますが、これはオール電化や生活が深夜に寄った人向けですね。
ちなみに、上記のプラン以外にも、いくつか業務用のプランが存在しますが、今回はややこしくなるので省いています。
【東北・中部電力エリア】の料金プラン
東北電力エリアと中部電力エリアでは以下のプランが提供されます。
プラン名 | 特徴 |
---|---|
スタンダードプランS | 40Aから契約可能なプラン。家族3人や4人暮らしの方などにおすすめ |
スタンダードプランL | 商店や飲食店、大家族など電気を多く使う方におすすめのプラン |
一般家庭であれば「スタンダードプランS」がおすすめです。これらエリアのスタンダードプランSは、東京電力エリアのものと違い30Aから契約できます。
また、従量料金が電気使用量によって変化せず、東北電力エリアなら1kWhあたり23.42円、中部電力エリアなら23.62円と一律です。
つまり、「電気使用量(kWh)×1kWhあたりの価格+基本料金」でおおむねの電気代が計算できます。
公式サイトの試算によれば4人暮らしの家庭で1ヶ月あたり約700円の節約が見込めるそうです。年間なら約8,400円ですので、これはかなり大きいですね。
【関西・中国・四国・九州電力エリア】の料金プラン
関西・中国・四国・九州電力エリアでは以下の料金プランが提供されます。
プラン名 | 特徴 |
---|---|
使った分だけSプラン | 基本料金0円。電気を使った分だけ料金が発生するシンプルなプラン |
使った分だけLプラン | 使った分だけSプランの商店や飲食店に向けたバージョン |
プレミアムプラン※ | 定額制の料金プラン。毎月の電気使用量が一定の方におすすめ |
※中国電力エリア限定のプラン
これらのエリアでは基本料金0円+従量料金一律の「使った分だけ」プランが提供されます。使った分だけLプランの方は商店などに向けたものですので、一般家庭であればSプランの方を選ぶといいですよ。
電気を多く使っても1kWhあたりの価格が変わらないことから、電気を多く使う家庭の方がお得になりやすいと思われます。公式サイトの試算によれば、切り替えで1ヶ月あたり870~1,400円ほど安くなるようです。
また、中国電力エリアでは定額制のプレミアムプランも用意されています。毎月の電気使用量がおおむね固定と言うのであれば、こちらのプランを選ぶのもいいでしょう。
エルピオでんきの豊富なプラン以外のメリットは?
エルピオでんきには、豊富なプラン以外にもまだまだメリットがありますよ。
ガスとセットでさらにお得!
冒頭でも話した通り、エルピオでんきを提供する「株式会社エルピオ」はガスで有名な会社です。そのため、しっかりガスとでんきのお得なセットも用意されていますよ。
エルピオのLPガスとでんきの両方と契約すると、ガス・でんきの合計金額から毎月100円引きを受けられます。
大した金額じゃないように感じるかもしれませんが、年間で1,200円と考えれば大きくないですか?
もちろん、でんきだけの単体契約も可能です。状況に合わせてセット契約を利用するか検討してみてください。
電気の駆けつけサービスもあり!
エルピオでんきでは、電気のトラブルに24時間365日対応してくれる「安心駆けつけサービス」も提供しています。エルピオでんきに加入している方なら、本来9,000~13,000円かかる作業費が無償になりますよ。
従来は関東エリア限定だったようですが、2019年11月から東北・中部・関西でもスタートしています。
また、エルピオでんきの料金に毎月400円プラスすることで「エルピオクラブ」に加入できます。エルピオクラブのエルピオ駆け付けサービスでは、水まわりやカギ、窓ガラスのトラブルに無償で対応してくれます。
さらに、エルピオクラブでは全国20万以上の施設の優待サービスを利用できる、エルピオクラブオフも提供されますので、登録の際は上手に活用してみてください。
違約金・解約金がかからない!
エルピオでんきは違約金・解約金を設けていません。つまり、エルピオでんきと契約したのち、料金が高くなってしまったとしても気軽に解約することができます。
クレジットカード&口座振替に対応!
エルピオでんきの支払いはクレジットカードか口座振替です。特別に支払い方法が多いわけでもないのですが、新電力はクレジットカード支払いのみといったケースも少なくありません。その中で口座振替もできるのはメリットのひとつと言えるでしょう。
マイページで時間別の電気使用量を確認できる!
エルピオでんきの公式サイトに用意されたマイページからは、年間・月間・週間・日別の電力使用量だけでなく、30分ごとの最大電力量も確認できます。
また、過去の支払い情報などもチェックできるため、家計簿作成などに役立ちますよ。毎月の検針票のダウンロードなども可能です。
エルピオでんきのデメリットは?
エルピオでんきのデメリットも確認しておきましょう。
必ずしも電気代が安くなるとは限らない
既に話した通り、エルピオでんきへの切り替えで必ずしも電気代が安くなるとは限りません。特に1人暮らしで電気をあまり使わない方だと、切り替えによって損をしてしまう可能性が高いです。
せっかく新電力へ切り替えたのに電気代が高くなる、なんて嫌ですよね。きちんと公式サイトの電気代シミュレーションを試してから切り替えるようにしましょう。
ポイント等の特典が無い
エルピオでんきは料金プランがお得な分、他社と連携したポイントサービスなどを実施していません。またテレビCMや豪華なパンフレットなども用意せず、その分を電気料金の還元にまわすことで、現在の料金プランを維持しているそうです。
もし豊富なポイントサービスなどを期待するのであれば、他の新電力会社を選んだ方がいいかもしれません。
検針票の発行にお金がかかる
エルピオでんきの検針票を発行してもらうには、毎月110円がかかります。検針票とは月の電気使用量や電気代などが記載された紙のことですね。よくポストに入っているあれです。
今やマイページから過去の請求情報も確認できるため不要だとは思うのですが、「どうしても紙の検針票が欲しい」という方は年間1,320円のコストがかかります。
まとめ
エルピオでんきのプランやメリット・デメリットはいかがでしたか?
エルピオでんきは基本的に電気使用量が多い家庭ほどお得になる新電力です。3人家族や4人家族でそれなりに電気を使う方は、ぜひとも公式サイトの料金シミュレーションを試してみてくださいね。
また、エルピオでんきは新電力としては珍しくオール電化向けのプランなども用意しています。オール電化向けプランを提供する新電力会社を探している方にもおすすめですよ!