数多くの新電力会社が登場する中、特に注目を浴びているのが『あしたでんき』です。
あしたでんきは東京電力グループの会社が運営するサービスながら、東京電力とはまた違った、お得な料金プランを提供することで話題を集めていますね。
このページではあしたでんきの概要や、評価ポイント、デメリットなどを紹介していきます。どの新電力が良いか迷っている方は参考にしてみてくださいね。
あしたでんきとは?
あしたでんきは東京電力ホールディングスが設立した「TRENDE(トレンディ)株式会社」が提供する新電力です。
基本料金0円や従量料金一律もさることながら、大手企業が関与する新電力ということでも注目を集めています。
なお、基本料金0円の従量料金一律と言えば「Looopでんき」も有名ですね。料金プランが非常に似通っていることから「Looopでんきを意識している」と言われることもあり、実際、「Looopでんき」から「あしたでんき」で移っている方も多いようです。
このあたりにも注目しつつ、今回は評価ポイントとデメリットをまとめてみました。
あしたでんきの評価ポイント
あしたでんきの評価ポイントを紹介していきます。
基本料金が0円&従量料金も安い!
あしたでんきの料金は以下表の通り、基本料金0円に加えて従量料金(1kWhあたりの料金)が固定となっています。
電力エリア | 基本料金 | 従量料金/kWh |
---|---|---|
東北電力 | 0円 | 26.0円 |
東京電力 | 0円 | 26.0円 |
中部電力 | 0円 | 26.0円 |
関西電力 | 0円 | 22.0円 |
中国電力 | 0円 | 24.0円 |
九州電力 | 0円 | 23.0円 |
※すべて税込
従来の電気料金は契約アンペア数などで基本料金が設定されていたうえ、従量料金が電気使用量によって変わる仕組みでした(月の電気使用量が120kWhを超えると1kWhあたり20円から25円になる等)。
言ってしまえば非常に複雑な仕組みだったのですが、あしたでんきは上記の通りシンプルな電気料金プランを採用しており、「エリアの従量料金×使用した電気量」でおおむねの電気代を計算できます。
なお、基本料金0円+従量料金一律と言えば「Looopでんき」も有名ですが、あしたでんきはLooopよりも従量料金が安く設定されており、どういった使い方をしても基本はLooopよりもお得になります。
このことから、Looopでんき → あしたでんきへと切り替える方が多いようですね。また、基本料金0円ということで、月単位で電気を使わない別荘などの契約に利用されることも少なくありません。
大家族向けの「たっぷりプラン」も用意!
あしたでんきでは基本料金0円の標準プラン以外にも、大家族にぴったりの「たっぷりプラン」を用意しています。料金プランの詳細は以下の通りです。
電力エリア | 基本料金 | 従量料金/kWh |
---|---|---|
東北電力 | 3,000円 | 21.5円 |
東京電力 | 3,000円 | 21.5円 |
中部電力 | 3,000円 | 21.5円 |
関西電力 | 3,000円 | 17.5円 |
中国電力 | 3,000円 | 19.5円 |
九州電力 | 3,000円 | 18.5円 |
※すべて税込
たっぷりプランの場合は基本料金が3,000円と高めに設定されているのですが、その分、1kWhあたりの価格が安くなっています。
そのため、大家族で月700kWhや1000kWhなど大量に電気を使う家庭であれば、こちらのプランの方がお得でしょう。
たとえば、東京電力エリアは標準プランとたっぷりプランで1kWhあたり4.5円の差があります。月に700kWh使用した場合は「4.5円×700kWh=3,150円」の差になりますから、基本料金の3,000円と差し引きしても150円ほどお得です。
と言ってもなかなかピンときませんよね。公式サイトで料金シミュレーションできますので、ぜひ一度、電気代の請求書を片手に試算してみてください。
違約金・解約金がない!
あしたでんきは違約金・解約金の類がないのも評価ポイントです。電気はそうそう切り替えないので知らない方も多いと思いますが、中には携帯電話のように、2年縛りの違約金などを設けている会社もあります。
そういった会社と違い、あしたでんきなら切り替え後に合わないと思えばほぼリスクなしで解約できるため、気軽に契約できるのではないでしょうか。
アンペア数を増やすことも可能!
多くの電力会社ではアンペア制を導入しており、アンペア数を上げることで基本料金もアップしてしまいます。たとえば、東京電力の従量電灯Bは10Aだと基本料金286円ですが、60Aになると基本料金1,716円にもなってしまいます。
その点、あしたでんきは基本料金0円を採用しているため、契約アンペア数による料金増加がありません。60Aであっても基本料金0円でOKです。
アンペア数が上がればそれだけブレーカーが落ちにくくなるので、頻繁にブレーカーが落ちてしまう家庭には朗報だと思いますよ。なお、残念ながら切り替えと同時にアンペア数を上げることはできません。アンペア数を上げる時は切り替え後にマイページから申し込んでください。
マイページで使用状況が確認できる!
あしたでんきの公式サイトにはマイページが用意されており、ここから時間ごとの細かい電気使用量を確認できます。従来の「1ヶ月ごとの使用量」ではなく、10時の使用量、20時の使用量といったように、かなり細かく電気使用量をチェックできるのも評価ポイントです。
このデータを上手に活用して電気代を節約している方も多いようですね。なお、30分毎の電気使用量をチェックできる会社が多い中、あしたでんきは1時間毎の電気使用量になっています。
土日も問い合わせに対応!
あしたでんきの問い合わせページを見てみると「受付時間:9:00~17:00(年末年始を除く)」となっており、土日も対応していることが分かります。
新電力会社の中には土日対応が無いところも多々あり、なかなか問合せしにくかったりするのでこれは助かりますね。
あしたでんきのデメリット
評価ポイントの多いあしたでんきですが、残念ながらデメリットも存在します。
一人暮らしだと割高になる可能性も
一人暮らしで電気使用量の少ない方だと、あしたでんきへの切り替えで電気代が高くなってしまう恐れもあります。
というのも、電気使用量が少ない方の場合は10Aや15Aなど契約アンペア数が低く、基本料金0円の恩恵をあまり受けられません。また、従量料金一律も電気使用量が少ない方にとってはあだとなる可能性が高いです。
ただ、電気使用量が少ないからと言って、必ずしも電気代が高くなるとは限りません。まずは公式サイトにある料金シミュレーションを試してみることをおすすめします。
支払い方法がクレジットカードのみ
あしたでんきの支払い方法は今のところクレジットカードのみです。残念ながら口座振替やコンビニ払い、携帯キャリア決済などには対応していません。
クレジットカードを持っている方なら特に問題ありませんが、そうでない方にとっては大きなデメリットと言えるでしょう。
セット割りが用意されていない
あしたでんきは今のところガスやスマホとのセット割引を用意していません。最近は電気やガス、スマホ、インターネットなどを1つの会社にまとめることで大幅割引する仕組みを作っているところも多いですね。
そういったセット割りを望むのであれば、他の新電力を検討した方がいいかもしれません。
オール電化向けのプランがない
あしたでんきは今のところオール電化向けプランも用意していません。オール電化向けのプランというのは、日中は電気料金が高く、夜間は安くなるといったものですね。
電気代が安い夜間にお湯を沸かしておくことで節約できるのですが、あしたでんきとの契約でそれは叶いません。オール電化住宅に住んでいる方も、他の新電力を検討した方がいいかもしれないです。
全国対応ではない
あしたでんきの提供エリアに「北海道電力」「北陸電力」「四国電力」「沖縄電力」のエリアは含まれません。これらのエリアにお住いの方は残念ながらあしたでんきを選択できないわけです。
ちなみに、同じく基本料金0円の従量料金一律で有名な「Looopでんき」は北海道・北陸・四国電力エリアにも対応しています。沖縄電力エリアについてはLooopも対応していないのですが、これら3つのエリアにお住いの方はLooopを選択するのもありだと思いますよ。
電源構成の詳細が開示されていない
あしたでんきは具体的な電源構成を開示していません。電源構成を開示していないからエコじゃない、と言い切ることはできませんが、環境への配慮に自信があるのなら、イメージアップのためにも電源構成を開示しそうなものです。
デメリット・・・というよりも電源構成が開示されていないことに対して、やや不信感は覚えますね。
まとめ
あしたでんきは同じく基本料金0円&従量料金一律を売りにしたLooopでんきよりもお得な新電力会社です。違約金・解約金がかからず気軽に契約できたり、基本料金0円ながらアンペア数のアップには対応してくれたりと、他にも魅力の多い新電力となっています。
ただ、提供エリアがやや限られるのがネックです。また、一人暮らしで電気使用量が少ない方だと、切り替えでむしろ電気代が高くなってしまうかもしれません。
まずは公式サイトの料金シミュレーションで本当に電気代が安くなるか確認しておきましょう。もちろん、大家族で絶対に電気代が安くなるであろう方も、料金シミュレーションで具体的にどのくらい安くなるか確認しておきましょうね。